メンタルヘルスとギャンブル依存症
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多くの人は、ちょっとした楽しみのためにギャンブルをするでしょう。でもそれが度を越してしまうと問題が生じる場合があります。この状態は「ギャンブル依存症」と呼ばれ、精神衛生疾患である「衝動制御障害」に分類されます。
今回はメンタルヘルスとギャンブル依存症の関係性、そしてご自身やご家族、お知り合いの症状を認識する方法について、詳しく説明します。
ギャンブル依存症の症状
ギャンブル依存症を診断するには、まず症状を把握する必要があります。強迫観念にかられたギャンブラーによく見られる行動としては、ギャンブルのために家族の行事や仕事を休む、ギャンブルのために借金する、経済困窮に陥る、などが挙げられます。また、過去1年以内の行動として下記の4つ以上が当てはまる方は、ギャンブル依存症だと考えられます。①アドレナリンを感じたいので、もっとギャンブルをしようと考える。②ギャンブルをやめるとイライラする。③ギャンブルをやめようと思ってもやめられない。④ギャンブルの事ばかり考えてしまう。⑤嫌なことがあるとギャンブルをしてしまう。⑥負けてもすぐギャンブルをしに戻ってしまう。⑦ギャンブルのせいで嘘をつく。⑧ギャンブルのせいで問題が生じた。⑨借金してまでギャンブルをする。
ギャンブル依存症になるきっかけ
誰もがギャンブル依存症になる可能性があります。ギャンブル依存症になる人の多くは、責任感が強く、信頼できる頼りがいのある人だと思われています。しかし、何らかのきっかけでギャンブル依存症に陥ってしまう場合ががあります。よくあるきっかけとしては、退職、トラウマ、仕事や家族に関するストレス、うつ病や不安症、その他依存症、家族や友人にギャンブル好きの人がいるといった環境要因、ギャンブルがしやすい環境などの要因が挙げられます。
研究によると、すでに何かに依存している人の方が、ギャンブル依存症になる可能性が高いようです。また、この種の依存症の引き金となる遺伝的・神経学的要因も存在します。更に、女性より男性の方がギャンブル依存症になる人が多いため、性別も要因の1つである可能性があります。
ギャンブルが脳にもたらす影響
ギャンブルは、脳の化学反応に変化をもたらし、知覚を歪めるため、よく麻薬や飲酒と同じようなものだと捉えられます。ギャンブルに慣れてしまうと、興奮を再現しようとしても上手くいかなくなるため、同じ「快感」を得るためにもっとギャンブルをしようとします。次に勝って負けたお金を取り戻そうと、ギャンブルをし続ける可能性もあるため、負けを取り戻そうとするのも非常に危険な行為です。その結果、身体的、感情的、社会的、職業的に失敗する可能性があります。行動がコントロールできなくなると、ギャンブルは専門家の助けが必要な「依存症」へと変化していきます。
治療
ギャンブル依存症の治療には、さまざまな角度からのアプローチが可能です。セラピー（行動療法や認知行動療法）、薬物療法（精神安定剤や抗うつ剤）、自助グループ（同じ境遇の人と話すことで支えとする方法）などの治療が存在します。
ご自身や知り合いがギャンブル依存症かもしれないと思ったら、オンラインテストなどを利用して、上手く依存症に向き合うことで改善できる場合もあります。しかしもちろん、助けが必要な人にとって最良の方法は、臨床の専門家に相談することです。
